目次
青春18きっぷとは?
青春18きっぷは、JRが発売するフリーきっぷ(乗り放題きっぷ)です。春休み・夏休み・冬休みの時期に、期間限定で発売されます。
JRの普通列車・快速列車が1回あたり2,410円で1日乗り放題という安さが最大の特徴です。格安旅行との相性が良く、1982年に初めて登場して以来、毎年多くの旅行者に利用されてきました。
青春18きっぷの発売期間・利用期間(2024年度)
2024年度の発売期間・利用期間は、以下のようになっています。
春季
【発売期間】2024年2月20日 〜 2024年3月31日
【利用期間】2024年3月1日 〜 2024年4月10日
夏季
【発売期間】2024年7月10日 〜 2024年8月31日
【利用期間】2024年7月20日 〜 2024年9月10日
冬季の予定は未定ですが、JRから発表があり次第追記します。
青春18きっぷ(JR東日本)
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青春18きっぷの価格(2024年度)
12,050円(おとな・こども同額)
1回分あたりの価格は2,410円です。
青春18きっぷの基本的なルール
以下では、青春18きっぷの基本的なルールについてまとめました。
JR全線の普通列車・ 快速列車の普通車自由席が乗り降り自由
具体的には、以下の交通機関が乗り降り自由です。普通列車・快速列車は、特急券なしで乗車できる列車、つまり、特急列車(新幹線を含む)以外の列車です。
- JR全線の普通列車・快速列車の普通車自由席
- BRT(バス高速輸送システム)
- JR西日本宮島フェリー
普通列車・快速列車の普通車指定席やグリーン車自由席には、指定席券やグリーン券を別に購入すれば、青春18きっぷでも乗車できます。グリーン車指定席には乗車できません。
普通・快速列車の座席タイプによる違いを、以下の表にまとめました。
座席タイプ | 乗車の可否 |
---|---|
普通車自由席 | 乗車可 |
普通車指定席 | 乗車可(指定席券等が別に必要) |
グリーン車自由席 | 乗車可(グリーン券が別に必要) |
グリーン車指定席 | 乗車不可 |
また、いわゆる『ホームライナー』列車にも、ライナー券または乗車整理券を別に購入すれば青春18きっぷで乗車できます。
有効期間1日間のきっぷが5回セット
有効期間1日間のきっぷが「5回分」セットになっています。ただし、きっぷ自体は1枚で、5枚に分かれているわけではありません。
有効期間は1日間です。23時59分までに発車する列車に乗車することができます。そして、乗車した列車が0時を過ぎて最初に停車する駅まで有効です。
きっぷは1人で5日ずつ5回分使うこともできますし、5人グループで1日分を使いきってしまうことも可能です。なおグループで使う場合は、同一行程で移動する必要があります。
特急列車(新幹線を含む)には乗車できない
特急列車(新幹線を含む)に乗車するには、乗車券と特急券の両方が必要です。つまり特急列車に乗車する時は、青春18きっぷを持っていても効力を持ちません。
ただし一部ですが、特急列車の自由席に乗車できる区間もあります。特急列車の自由席に乗車できる区間を以下に示します。いずれも、特急列車しか走っていないなどのそれぞれの事情がある区間です。
- 新得〜新夕張(石勝線)
- 青森〜新青森(奥羽本線)
- 宮崎空港〜宮崎(宮崎空港線)
- 早岐~佐世保(佐世保線)
JR以外の鉄道には乗車できない
青春18きっぷで、JR以外の鉄道(私鉄や第3セクター鉄道など)には乗車できません。
また、JRと直通運転している鉄道にも乗車できません。JRと直通運転している鉄道に乗車する場合、乗車する区間分の乗車券を、別に購入する必要があります。
ただし以下の鉄道会社の区間については、通過利用する場合に限り、青春18きっぷでも乗車することができます。通過利用可能区間で下車できるのは、以下で示す下車可能駅のみです。ハピラインふくい線は、2024年3月16日以降に適用されます。
鉄道会社 | 通過利用可能区間 | 下車可能駅 |
---|---|---|
青い森鉄道 | 青森〜八戸・青森〜野辺地・八戸〜野辺地 | 青森・野辺地・八戸 |
あいの風とやま鉄道 | 富山〜倶利伽羅 | 富山・高岡 |
IRいしかわ鉄道 | 倶利伽羅〜津幡 | 津幡 |
ハピラインふくい | 越前花堂~敦賀 | 越前花堂・敦賀 |
青春18きっぷについては他にも細かいルールがありますが、上のような項目を理解しておけば十分です。その他の細かいルールについてはこちらをご覧ください。
『青春18きっぷ北海道新幹線オプション券』について
2016年の春から、新たに『青春18きっぷ北海道新幹線オプション券』が、青春18きっぷと同時に発売されることになりました。
このオプション券が発売される理由は、2016年3月26日に開業した北海道新幹線(新青森〜新函館北斗間)です。
北海道新幹線の開業後は、JR津軽海峡線の奥津軽いまべつ(現・津軽今別駅)〜木古内間は、新幹線のみの運転になります。
そして、木古内〜五稜郭間は、第3セクター鉄道の『道南いさりび鉄道』に移管されます。
このように、青春18きっぷで本州〜北海道間の移動が困難になってしまうという事情があり、今回『青春18きっぷ北海道新幹線オプション券』という形で、新たにきっぷが設定されることになった模様です。
『青春18きっぷ北海道新幹線オプション券』で乗車できる区間
この『青春18きっぷ北海道新幹線オプション券』で乗車できるのは以下の区間です。それぞれの区間に片道1回だけ乗車できます。
- 奥津軽いまべつ〜木古内(北海道新幹線)
- 木古内〜五稜郭(道南いさりび鉄道)
青春18きっぷとオプション券で青森〜函館を移動するには、以下のようなルートになります。
青森方向から出発する場合、まず青森駅で津軽海峡線下り方面の列車に乗車し、津軽二股駅で下車します。そして隣接する奥津軽いまべつ駅で、北海道新幹線に乗り換えます。
そして木古内駅で北海道新幹線を下車し、道南いさりび鉄道に乗り換え、函館駅まで乗車します。
『青春18きっぷ北海道新幹線オプション券』の価格
2,490円(おとな・こども同額)
普通にきっぷを買う場合と、コストはどのように違ってくるのでしょうか?比較してみましょう。
【普通にきっぷを購入する場合】
- 奥津軽いまべつ〜木古内(北海道新幹線の普通車指定席):4,240円
- 木古内〜五稜郭(道南いさりび鉄道):980円
合計:5,220円
普通にきっぷを購入するより、『青春18きっぷ北海道新幹線オプション券』を購入するほうが安くなる計算です。青春18きっぷで本州〜北海道を移動するなら、この『青春18きっぷ北海道新幹線オプション券』が必須になってくるでしょう。
『青春18きっぷ北海道新幹線オプション券』の使い方
この『青春18きっぷ北海道新幹線オプション券』は、改札で青春18きっぷと同時に提示します。
北海道新幹線(奥津軽いまべつ〜木古内間)の普通車の開いている席、道南いさりび鉄道(木古内〜五稜郭間)の普通列車に乗車できます。
途中下車はできません。道南いさりび鉄道の駅(木古内・五稜郭以外)で途中下車した場合、乗車全区間の運賃が必要になってくるので注意が必要です。
また、北海道新幹線の奥津軽いまべつ〜木古内間以外の区間にまたがって乗車する場合、乗車全区間の運賃・料金が必要になってくるので注意が必要です。
青春18きっぷの購入方法
以下では、青春18きっぷの購入方法について説明します。『青春18きっぷ北海道新幹線オプション券』についても同様の購入方法になります。
みどりの窓口・旅行会社
最も普通の購入方法です。みどりの窓口とは、JRの駅の窓口のことです。みどりの窓口や旅行会社で購入する場合、もちろん定価(12,050円)での購入になります。
指定席券売機
タッチパネルの指定席券売機がある一部の駅で購入できます。具体的にはJR東日本の指定席券売機と、JR西日本のみどりの券売機で購入可能です。
金券ショップ
金券ショップで青春18きっぷを購入するメリットは、残数が2回分や3回分など「中古」の18きっぷを購入できることです。
当然ですが、中古の青春18きっぷが出まわるのは、発売期間が開始してからです。金券ショップが多い地区は、東京だと新宿、神田、新橋など、大阪だと梅田です。
また、金券ショップに必ず18きっぷの在庫があるとは限りません。確実に購入したい場合は電話で事前に問い合わせてみたほうがいいでしょう。
また、使用期間の終了が近づけば近づくほど入手が困難になるので、なるべく早めに購入するといいでしょう。
Google Mapで金券ショップを検索
ネットオークション
ヤフオク!やメルカリなどに代表されるネットオークションで、青春18きっぷを落札することができます。実店舗に出向くことなく購入できるのが、ネットオークションのメリットです。また金券ショップと同じように、残数が2回分や3回分など「中古」の青春18きっぷを入手できます。
青春18きっぷの売却方法
続いて、青春18きっぷを売却する方法について見てみます。青春18きっぷは5回分もあるので、使い切れずに余ってしまうことがよくあります。そのため売却方法についても知っておくと便利です。
みどりの窓口
みどりの窓口では、未使用で有効期間内の青春18きっぷに限り、売却(正確には売却ではなく払い戻し)できます。つまり1回分でも使用済みのハンコが入っていると、みどりの窓口では売却できません。なお売却時に手数料の220円がかかります。
金券ショップ
青春18きっぷを買い取ってくれる金券ショップなら、売却可能です。買取価格の相場は店によって違うので一概には言えませんが、残数が少なくて使い勝手のいい1回分や2回分の青春18きっぷのほうが、高く買い取ってもらえる可能性が高いです。
基本的に有効期間の終了が近づけば近づくほど、買取価格は安くなります。また、有効期間の終了間際だと、買い取ってもらえない場合もあるので注意が必要です。なるべく早めに売却することをおすすめします。
ネットオークション
ネットオークションでの出品は、写真を撮ったり送付に手間がかかったりと、落札するよりも、ややハードルが高いです。でもネットオークションに慣れている人であれば問題ないでしょう。
ネットオークションでも金券ショップと同じように、使用期限が近づけば近づくほど売却できない、つまり落札されない可能性が高くなります。
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青春18きっぷの賢い使い方6つのポイント
青春18きっぷの賢い使い方を、6つのポイントにまとめました。青春18きっぷは使用する側の自由度が高いきっぷなので、最大限活用することで旅がより楽しくなります。
運転本数の少ない「閑散路線」から先にルートを決める
地方の1時間に1本しか運転していないような路線では、列車を逃すと待ち時間が長くなります。
少ない列車を逃さないように、先に閑散路線から乗る列車を決め、その前後に乗る路線をそれに当てはめるように時刻とルートを決めていくと、待ち時間が少なくてスムーズに移動できます。
なるべく快速列車を使う
効率的に移動するために、快速列車が運行されている区間ではなるべく快速列車を利用するとスムーズに移動できます。特に首都圏や京阪神地区では快速の運転本数が多いので、有効に活用すれば時間も大幅に短縮できます。
場合によっては特急列車でワープする
時間を優先したい場合は、特急列車を使ってワープするとスピードアップになります。青春18きっぷと特急券の併用はできないので、特急に乗る場合は乗車券と特急券の両方を購入する必要があります。
特急列車に乗る場合は、移動する区間の営業キロを50キロ以内に抑えるとコストが一番安くてすみま す。50キロ以内が特急の最低料金だからです。
例えばJR東日本の東京駅から蘇我駅まで特急列車の自由席で移動する場合、この区間の営業キロが50キロ以内(43.0キロ)なので、乗車券が770円、特急券が520円で追加のコストは合計1,290円になります。
一部区間を特急で移動するのかどうかについては、時間を優先するのか、コストを優先するかで判断するといいでしょう。
紙の時刻表を携帯する
移動ルートを最適化するために、紙の時刻表があると便利です。ポケット型のような小さいもので構わないと思います。スマートフォンなどのモバイル端末の時刻表も使えますが、使い勝手では紙の時刻表のほうが勝ります。
またモバイル端末はいつバッテリーが切れるかわからないので、モバイル端末はいざという時に活躍できるようにバッテリーに余裕を持たせておくのが吉です。
体力の余裕を考えた旅程を建てる
青春18きっぷを購入したコストの元を取るために、1日かけて目一杯使いたいと考えるのが普通ですが、ずっと移動だけを続けていくと体力が持ちません。
スケジュールに余裕があれば、この日は休み、この日は移動というように1日1日にメリハリをつけた旅程を建てることも可能です。
ただ疲れるだけの旅ではもったいないですし、あまり楽しくありません。自分の体は最大限いたわりましょう。