この記事では、特急『いなほ』の運賃・料金、割引など、乗車前に役立つ情報をまとめました。
目次
特急『いなほ』の基本データ
特急『いなほ』は、新潟〜酒田・秋田を結ぶJR東日本の特急列車です。
- 新潟県〜山形県〜秋田県の日本海側各都市に停車します。全区間の総所要時間は約3時間30分と、比較的長距離区間を走る列車です。
- 新潟駅では上越新幹線、秋田駅では秋田新幹線にそれぞれ接続します。また、秋田駅では特急『つがる』(青森行き)に接続します。
- 日本海側を走っているという地理的な事情もあり、冬季には雪や風の影響で運休や遅延が発生しやすくなる傾向があります。
特急『いなほ』の基本的なデータは以下のようになっています。
所要時間
約3時間30〜40分(新潟〜秋田)
使用車両
E653系電車
車両編成
7両編成(グリーン車1号車・普通車指定席2〜4号車・普通車自由席5〜7号車)
※3号・10号は4両編成(普通車指定席1〜2号車・普通車自由席3〜4号車)
運転本数
下り・上り各7本
時刻・運行情報
特急『いなほ』の最新の時刻や運行情報は、JR東日本の公式サイトをご覧ください。
停車駅
新潟・豊栄・新発田・中条・坂町・村上・府屋・あつみ温泉・鶴岡・余目・酒田・遊佐・象潟・仁賀保・羽後本荘・秋田
備考
- 全席禁煙です。
- 車内販売はありません。※2021年3月12日で終了
特急『いなほ』と競合する交通機関
新潟〜秋田間や、新潟〜鶴岡・酒田、酒田〜鶴岡などの各区間を直通で結ぶ高速バスはありません(鶴岡〜酒田を結ぶ路線バスはあります)。
『いなほ』以外の移動手段としては、JRの在来線(普通・快速列車)で移動する方法があります。JRの在来線は新潟〜秋田間を直通で結ぶ在来線の列車はないので、途中駅での乗り継ぎが必要です。
在来線で新潟〜秋田間を移動する場合、運賃は4,840円です。この運賃は『いなほ』に乗車するよりも安いですが、列車の運転本数も少なく、最短でも6時間30分以上の時間がかかります。コストパフォーマンスを考えると、長距離であればあるほど『いなほ』を利用する人のほうが多いでしょう。
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特急『いなほ』の運賃・料金(主な区間)
次に、特急『いなほ』の運賃・料金(主な区間のみ)について確認します。
- 大人1名が通常期に乗車するという条件です。こども運賃・料金は大人の半額です。
- 普通車指定席とグリーン車は、シーズンごとに料金が調整されます。最繁忙期は400円プラス、繁忙期は通常期に200円プラス、閑散期は通常期から200円マイナスです。各シーズンのカレンダーはこちら。
区間 | 普通車自由席 | 普通車指定席 | グリーン車 |
---|---|---|---|
新潟〜新発田 | 1,030円 | 1,560円 | 2,330円 |
新潟〜村上 | 2,120円 | 2,650円 | 3,420円 |
新潟〜鶴岡 | 4,000円 | 4,530円 | 6,800円 |
新潟〜酒田 | 4,840円 | 5,370円 | 7,640円 |
新潟〜羽後本荘 | 6,050円 | 6,580円 | 10,240円 |
新潟〜秋田 | 6,820円 | 7,350円 | 11,010円 |
区間 | 普通車自由席 | 普通車指定席 | グリーン車 |
---|---|---|---|
秋田〜羽後本荘 | 1,290円 | 1,820円 | 2,590円 |
秋田〜酒田 | 3,340円 | 3,870円 | 6,140円 |
秋田〜鶴岡 | 3,670円 | 4,200円 | 6,470円 |
秋田〜村上 | 5,720円 | 6,250円 | 9,910円 |
秋田〜新発田 | 6,490円 | 7,020円 | 10,680円 |
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特急『いなほ』の割引きっぷ
特急『いなほ』で利用できる割引は、以下のようなものがあります。
- えきねっとトクだ値・お先にトクだ値
- きらきら日本海パス(坂町〜羽後本荘)
- JR東日本の株主優待割引券
- 学生割引(学生限定)
それぞれの内容について、以下で簡単に紹介します。
えきねっとトクだ値・お先にトクだ値
えきねっとトクだ値・お先にトクだ値は、JR東日本が運営するインターネット予約サイト『えきねっと』の会員向けに設定される割引きっぷです。乗車券と指定席特急券がセットになっています。
以下の表は、えきねっとトクだ値・お先にトクだ値の価格です。トクだ値10やトクだ値30などの数字は、割引率を表しています。
なおシーズンによって、少し価格が違います。各シーズンのカレンダーはこちらで確認できます。
区間 | えきねっとトクだ値(10%割引) | お先にトクだ値(30%割引) |
---|---|---|
新潟〜鶴岡 | 3,890〜4,430円 | 3,020〜3,440円 |
新潟〜酒田 | 4,650〜5,190円 | 3,610〜4,030円 |
新潟〜秋田 | 6,420〜6,960円 | 4,990〜5,410円 |
きらきら日本海パス(坂町〜羽後本荘)
きらきら日本海パスは、JR東日本が期間限定(2023年の利用期間は3月1日〜11月30日)で発売しているフリーきっぷです。
- フリー区間内の普通列車・快速列車が、連続する2日間乗り放題です。
- 特急券を別に購入すれば、特急『いなほ』にも乗車できます。
- 特急『いなほ』の区間で、きらきら日本海パスのフリー区間に含まれているのは、坂町〜羽後本荘間です。フリー区間外の区間にまたがって乗車するには、その区間の乗車券と特急券も必要です。
大人 | 小人 |
---|---|
2,610円 | 950円 |
JR東日本の株主優待割引券
JR東日本は、自社の株主向けに株主優待割引券を発行しています。
- きっぷを購入する際に株主優待割引券1枚を提示すると、運賃・料金がそれぞれ2割引(2枚なら4割引)になります。
- 距離の制限はないので、なるべく長距離区間(例えば新潟〜秋田)で株主優待割引券を使ったほうがお得です。
- 株主優待割引券を入手するには、JR東日本の株主になるのが一番普通の方法ですが、金券ショップで入手する方法もあります。
学生割引(学生限定)
JRが学生向けに提供している学生割引を利用する方法です。
- 片道の営業キロが101キロを超えるという条件で、運賃が2割引になります。
- 特急『いなほ』の場合、営業キロが101キロを超えている区間(酒田〜秋田など)が学生割引の対象になります。
- 新潟〜村上(60.7km)は101キロ以下なので割引が適用されません。乗車する区間の営業キロについてはこちらで確認できます。
特急『いなほ』の予約
特急『いなほ』の指定席券は、全国の駅にある『みどりの窓口』や、旅行会社の窓口で予約・購入できます。自由席の場合、予約は必要ありません。
インターネット予約については、JR東日本が運営するインターネット予約サイト『えきねっと』で予約・購入できます。
インターネット予約の場合、きっぷの受取場所には注意が必要です。『えきねっと』はJR東日本、JR北海道の駅でのきっぷ受け取りができます。
最新の空席状況については、『えきねっと』かJRサイバーステーション(6時30分〜22時30分まで)で確認できます。