
特急『ワイドビュー南紀』(写真:PIXTA)
特急『ワイドビュー南紀』の基本データや、おトクな割引きっぷなど、乗車前に役立つ方法をまとめました。
目次
特急『ワイドビュー南紀』の基本データ

特急『ワイドビュー南紀』路線図(国土地理院「地球地図日本」データ、国土交通省「国土数値情報」鉄道データを元に、格安旅行ナビが加工・作成。駅名は、主な停車駅のみ表示)
特急『ワイドビュー南紀』(特急『南紀』)は、名古屋駅と三重県・和歌山県の南紀地方(新宮駅・紀伊勝浦駅)を結ぶJRの特急列車です。
特急『ワイドビュー南紀』の基本データは、以下のようになっています。
運転本数
名古屋駅〜紀伊勝浦駅間を1日3往復、名古屋駅〜新宮駅間を1日1往復
所要時間
約4時間(名古屋〜紀伊勝浦)・約3時間20分(名古屋〜新宮)
車両編成
4両編成(自由席車両1両・指定席車両2両・指定席/グリーン席車両1両)
運転本数
下り・上り各7本
時刻・運行情報
特急『ワイドビュー南紀』の発着時刻や運行情報は、JR東海の公式サイトをご覧ください。
停車駅
名古屋・桑名・四日市・鈴鹿・津・松阪・多気・三瀬谷・紀伊長島・尾鷲・熊野市・新宮・紀伊勝浦
その他
- 普通車自由席は、車掌によるきっぷの検札があります。
- 車内販売はありません。
- 無料Wi-Fiサービスの利用が可能です。
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特急『ワイドビュー南紀』の運賃・料金(主な区間)
最初に、特急『ワイドビュー南紀』の運賃・料金について確認しておきます。
大人1名が通常期に乗車するという条件です。普通車指定席の場合、繁忙期はプラス200円、閑散期はマイナス200円になります。
区間 | 普通車自由席 | 普通車指定席 | グリーン車 |
---|---|---|---|
名古屋〜四日市 | 1,140円 | 1,770円 | 2,540円 |
名古屋〜津 | 2,270円 | 2,900円 | 3,670円 |
名古屋〜松阪 | 3,210円 | 3,740円 | 4,510円 |
津〜新宮・紀伊勝浦 | 5,280円 | 5,810円 | 8,080円 |
名古屋〜尾鷲 | 5,680円 | 6,210円 | 8,480円 |
四日市〜新宮 | 6,120円 | 6,650円 | 8,920円 |
四日市〜紀伊勝浦 | 6,450円 | 6,980円 | 9,250円 |
名古屋〜熊野市 | 6,450円 | 6,980円 | 9,250円 |
名古屋〜新宮 | 7,000円 | 7,530円 | 11,190円 |
名古屋〜紀伊勝浦 | 7,330円 | 7,860円 | 11,520円 |
特急『ワイドビュー南紀』と競合する移動手段
特急『ワイドビュー南紀』と競合する移動手段は、高速バスです。具体的には以下の路線です。
- 高速バス 名古屋南紀高速線(名古屋〜紀伊長島・尾鷲・熊野・新宮)
※他にも、名古屋〜四日市などを結ぶ近距離高速バス路線もありますが、ここでは扱いません。
高速バスと、特急『ワイドビュー南紀』の所要時間と費用を表で比較してみます。比較する区間は、名古屋〜新宮(高速バスは名鉄バスセンター〜三交新宮駅前間)です。
所要時間 | 費用(大人1名) | |
---|---|---|
高速バス 名古屋南紀高速線 | 約4時間 | 4,200円 |
特急『ワイドビュー南紀』 | 約3時間30分 | 7,000〜11,190円 |
高速バスのほうが運賃が安く、所要時間は長いです。なお、特急『ワイドビュー南紀』と高速バスでは、停車する駅(停留所)が違うので注意が必要です。
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特急『ワイドビュー南紀』の割引きっぷ
特急『ワイドビュー南紀』の割引きっぷには、以下のようなものがあります。
- 南紀往復割引きっぷ
- 南紀・熊野古道フリーきっぷ
- ハッピー名古屋往復きっぷ
- 南紀特急回数券
- ジパング倶楽部(シニア限定)
- 学生割引(学生限定)
それぞれの内容について、以下で見ていきましょう。
南紀往復割引きっぷ
南紀往復割引きっぷは、JR東海が発売している往復きっぷです。特急ワイドビュー南紀の普通車指定席を利用できます。
区間は津、松坂、紀伊勝浦、新宮など主に三重県、和歌山県内の区間に設定されています。
紀伊長島、尾鷲、熊野市の各駅で発売しています。名古屋方面からの設定はないので注意が必要です。
また、繁忙期(4月27日~5月6日、8月11日~20日、12月28日~翌年1月6日)には使用できません。
区間 | 価格(大人) |
---|---|
津〜尾鷲 | 7,040円 |
津〜熊野市 | 8,110円 |
津〜新宮 | 9,280円 |
津〜紀伊勝浦 | 9,410円 |
南紀・熊野古道フリーきっぷ
南紀・熊野古道フリーきっぷは、JR東海が発売している「往復+フリーエリア乗り放題」タイプのきっぷです。
東海地方の主な駅を出発点として、南紀や熊野古道へ行くのに便利なきっぷです。
具体的には、特急『ワイドビュー南紀』の普通車指定席往復と、フリー区間内での特急・普通列車の普通車自由席乗り降り自由がセットになっています。
そして、フリー区間内では指定の路線バスが乗り降り自由です。
南紀・熊野古道フリーきっぷには伊勢路コースと中辺路コースがあり、それぞれフリー区間が違います。
南紀・熊野古道フリーきっぷの有効期間は3日間です。3日以内に往復する必要があります。
また、繁忙期(4月27日~5月6日、8月11日~20日、12月28日~翌年1月6日)には利用できません。
以下は、主な出発地の価格です。他にも出発地の設定はあります。
出発地 | 伊勢路コース | 中辺路コース |
---|---|---|
名古屋(市内) | 8,380円 | 9,970円 |
豊橋 | 9,960円 | 11,540円 |
尾張一宮〜岐阜間 | 8,910円 | 10,490円 |
亀山〜多気間 | 7,860円 | 9,430円 |
主な区間については、1回往復するだけで元が取ることが可能です。
ハッピー名古屋往復きっぷ
ハッピー名古屋往復きっぷは、JR東海が発売している往復きっぷです。南紀地区から名古屋へ行くのにお得なきっぷです。
名古屋駅の駅ビルなどで使える商品券(5,000円相当)が付いているのが特徴です。繁忙期(4月27日~5月6日、8月11日~20日、12月28日~翌年1月6日)には使用できません。
人数 | 価格 |
---|---|
1人用 | 13,800円 |
2人用 | 18,610円 |
3人用 | 23,110円 |
4人用 | 27,290円 |
南紀特急回数券
南紀特急回数券は、JR東海が発売する4枚つづりの回数券です。特急ワイドビュー南紀の普通車自由席を利用できます。
津、松坂、紀伊勝浦、新宮など主に三重県、和歌山県内の区間に設定されています。
繁忙期(4月27日~5月6日、8月11日~20日、12月28日~翌年1月6日)には使用できません。
区間 | 価格(1枚あたりの価格) |
---|---|
津〜尾鷲 | 12,400円(3,100円) |
津〜熊野市 | 14,560円(3,640円) |
津〜新宮 | 16,920円(4,230円) |
津〜紀伊勝浦 | 17,120円(4,280円) |
ジパング倶楽部(シニア限定)
ジパング倶楽部はJRが運営しているシニア向けの会員制サービスです。入会資格は男性65歳以上、女性60歳以上です。
JR線を営業キロで片道・往復・連続201キロ以上利用するという条件で、運賃・料金が2〜3割引になります。
学生割引(学生限定)
学生割引は、JRから指定を受けた中学・高校・大学・専修・各種学校の生徒が利用できる割引制度です。営業キロ(片道)が101キロ以上の場合、運賃が20%割引になります。
学生割引はJR線の区間のみに適用されます。学生割引を利用してJRと私鉄の区間にまたがって乗車する場合は、JR線と各私鉄のそれぞれのきっぷを別途購入する必要があります。
なおワイドビュー南紀の一部区間(河原田〜津)は、伊勢鉄道の区間を走ります。そのため、学生割引が適用される条件である「営業キロ(片道)が101キロ以上」を満たす区間は、津〜新宮など一部区間に限られてくるので注意が必要です。
価格を比較
上で紹介した割引きっぷの価格と、所定の運賃・料金を比較してみます。通常期に大人1名が、特急『ワイドビュー南紀』の普通車で往復する場合の比較です。
断りがなければ、指定席を利用するものとします。ハッピー名古屋往復きっぷは、1人あたりの価格で計算しています。南紀特急回数券は、1枚あたりの価格です。
きっぷの種類 | 費用 |
---|---|
南紀・熊野古道フリーきっぷ(中辺路コース) | 9,970円 |
所定の運賃・料金 | 15,060円 |
きっぷの種類 | 費用 |
---|---|
南紀特急回数券(自由席) | 8,460円 |
南紀往復割引きっぷ | 9,280円 |
南紀・熊野古道フリーきっぷ(中辺路コース) | 9,430円 |
所定の運賃・料金 | 11,620円 |
きっぷの種類 | 費用 |
---|---|
ハッピー名古屋往復きっぷ(4人用) | 6,823円 |
ハッピー名古屋往復きっぷ(3人用) | 7,703円 |
南紀・熊野古道フリーきっぷ(伊勢路コース) | 8,380円 |
ハッピー名古屋往復きっぷ(2人用) | 9,305円 |
所定の運賃・料金 | 12,420円 |
ハッピー名古屋往復きっぷ(1人用) | 13,800円 |
特急『ワイドビュー南紀』の予約
特急『ワイドビュー南紀』の指定席券を予約・購入するには、主に以下のような方法があります。
インターネット予約サイトできっぷを予約・購入する場合、きっぷを受け取れる場所に制限があるので、注意が必要です。お住まいの地域によっては、きっぷの受け取りができない場合があります。
特急『ワイドビュー南紀』の場合、『えきねっと』で予約・購入したきっぷはJR東日本エリア内の駅、『e5489』で予約・購入したきっぷはJR西日本、JR四国、JR九州エリア内の駅での受け取りが可能です。
JR東海エリア内にお住まいの場合、JR東海が在来線特急列車のインターネット予約サービスを提供していないので、基本的にインターネット予約以外の方法できっぷを予約・購入する必要があります。
なお、上の項目で紹介した割引きっぷは、インターネットでは基本的に購入できません。
特急列車の予約方法(きっぷの買い方)についてさらに詳しくは、以下の記事をご覧ください。
特急『ワイドビュー南紀』の空席状況
特急『ワイドビュー南紀』の最新空席状況は、JRサイバーステーションで確認(6時30分〜22時30分)できます。
座席単位の細かい空席状況まではわかりませんが、列車ごとの大まかな空席状況は確認できます。